第１部　令和の日本型学校教育とこれからの授業づくり

講師：奈須 正裕先生（上智大学総合人間科学部教育学科教授）

　令和の日本型学校教育とは何か。従来の授業の何がどう問題なのか。学習指導要領やGIGAスクール構想、経済産業省の「未来の教育」などとはどのような関係にあるのか。個別最適な学びと協働的な学びを軸に、歴史的な経緯や学習理論の立場からの考察も交えながら、理論的・実践的に考えてみたいと思います。

第２部　自分に合った学び方を手に入れる授業づくり

講師 ：細水 保宏先生（明星学苑　明星大学客員教授兼明星小学校校長）

　「主体的・対話的で深い学びを通して、一人ひとりの資質能力を伸ばすための授業をどのように創っていったらよいか？」「またその時の教師の役割は？」について、従来行われてきた問題解決型学習を問い直し、「問題発見力」「問題解決力」「問題追究力」の育成の視点から考えてみます。特に、算数の授業観について、教師側と子ども側の両方の視点から考えてみたいと思います。

第３部　算数における個別最適な学びを考える

講師 ： 盛山 隆雄先生（筑波大学附属小学校教諭）

　これまでの問題解決の授業を振り返り、自力解決の時間に子どもにゆだねる時間をつくり、自由に思考・交流させる試みについてご紹介します。子どもたちが比較的等質なグループをつくる傾向にあることや、互いにヒントを出すなどして学び合う姿ができ、その後の発表・検討に意欲的に参加する子どもが増えたように感じています。教え込みや答えだけの伝達がおこらないように学び方についての話し合いをしていることや、この実践の背景には、ヴィゴツキーの発達の最近接領域の理論があることもお話させていただきます。