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1.割合の指導で大切にしたいこと−量を較べることから割合を比べることへ− |
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講師 : 国立教育政策研究所 教育課程調査官: | 笠井健一先生 | |
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| 量の大きさを較べるときは、例えばカップを決めるなど基にする大きさを決めて、その幾つ分
かを調べることで数値化して較べてきた。その際、小さいカップ4つ分と大きいカップ3つ分で
は、どちらの方の量が多いかは較べることができなかった。ところが割合を比べるときは、カッ
プの大きさが違っても、4つ分と3つ分では、4つ分の方が多いということを学習します。
「えっ,それって本当ですか?」 | |
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2.いかにして差による比較を乗り越えるか |
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| 割合の学習では、問題を解決するために同種の2量の関係どうしを比較しなければならない。
2量の関係を一方がもう一方の何倍かで表すことができればよいが、子どもは、2量の差を求め
て、差どうしで比較するというミスコンセプション(誤概念)をもってしまうことがある。
いかにして差による比較のアイデアを乗り越えて、倍(割合)で比較するところにもっていくか。
具体的な事例をもとに自分の考えを述べたいと思います。 | |
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3.割合の指導はなぜ難しいのか |
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| 「比較」という言葉がありますが、「比」は割合で比べることを意味し、「較」は差で較べる
ことを意味しています。「差」で較べるときには、既に決められた「単位」を使って違いを表現
するのですが、「割合」で比べるのは、比べる一方を単位にして他方の大きさを表現するので、
単位の大きさが決まっていないという難しさがあります。また、そこで使われる計算は「わり算」
ですから、他の計算とは違って、かけ算とひき算の2つの計算が使われるので難しいと言えます。
このようなことを踏まえて、どのような授業をしたらよいかを考えていきたいと思います。 | |
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