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1.算数教育における社会的オープンエンドな問題に関する指導 |
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| オープンエンドアプローチの研究とは、島田茂先生が中心になって研究された日本の算数教育の中で世
界に誇れる画期的な研究である。オープンエンドな問題とは「正答が幾通りにも可能になるように条件づけ
た問題を未完結問題、結果がオープンな問題、オープンエンドな問題と呼ぶことにする。」(島田茂,1977)
とある。また、オープンエンドな問題の類型として、「関係や法則を発見する問題」「分類の問題」「数量
化の問題」がある。飯田慎司先生(福岡教育大学)はこうしたオープンエンドな問題の中の文脈依存的な問
題の中に子どもの価値観が表出する問題があることを指摘している。メロン問題、ホテルの部屋割り問題な
どである。馬場卓也先生(広島大学)は、こうした問題を社会的オープンエンドな問題と定義し、これから
の価値観が多様化する社会を考慮すると、この社会的オープンエンドな問題を積極的に取り扱っていく必要
があると述べている。 今回の私の話はこうした社会的オープンエンドな問題についてお話させていただく。
なお、オープンエンドの問題の研究については、坪田耕三先生の研究が異彩を放っている。 | |
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2.オープンエンドの問題を使った算数授業 |
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| 多様な答えが出るオープンエンドの問題を使って、一人の子どもが多様性を追求し、筋道を立てて考え
たり、新しい見方を得たりする授業について具体的事例をもとに考えてみたいと思います。 | |
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3.オープンエンドアプローチのよさ |
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| 算数の授業と言えば、問題は先生が出すもの、教科書に載っているもの、問題集にあるものといった固
定概念が多くの人にあります。また、算数の問題では、正解が一つに決まっているといった見方も多くの人
は持っているのではないでしょうか。その垣根を取り払ってみれば、算数の問題や答えがかなり広がって見
えるのではないかと思います。子どもの算数観、先生の算数授業観を変えて、幅広い柔軟な発想を期待する
ならば、そういったことを積極的に授業の中に取り入れてみたらどうかと思います。オープンエンドの授業
はそうした試みの一つです。具体例を交えながら実践のいくつかをお話ししたいと思います。 | |
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